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講義名 人権総論4
開講責任部署 花園大学
講義開講時期 前期 講義区分 講義
基準単位数 2 時間 0.00
代表曜日 金曜日 代表時限 2時限
科目ナンバリング

担当教員
職種氏名所属
 ◎ 西岡 秀爾 

授業の概要 人権とは、国籍・人種・宗教・文化・性別・出身・身体的・精神的条件にかかわりなく、生まれながらに平等に認められる「人としてあたりまえの生活を送る権利」のことです。子ども・女性・少数者・障害者・老者・病者・死者などに対するさまざまな人権問題を中心に取りあげます。私たちの身近な生活に存在する人権侵害を知り、それをなくすためには何をすれば良いかを受講生各々に「自分事」として考えてもらうつもりです。その過程でわき起こってくる違和感をひたすら追求していきましょう。人権侵害をなくしていこうという営みが、人権侵害の被害者のみならず、私たち一人ひとりの人権を守っていくことに繫がっていくことでしょう。
授業計画表
内容
第1回オリエンテーション
授業の注意点ならびに導入
第2回子どもの人権 ①
いじめ、不登校、体罰、虐待など
第3回子どもの人権 ②
児童労働、子どもの権利条約など
第4回女性の人権
男女平等、ジェンダー・フリー、性別役割分業、セクシャル・ハラスメント、ドメスティック・バイオレンスなど
第5回少数者の人権 ①
マイノリティ、同和問題など
第6回少数者の人権 ②
先住民族、新来外国人、定住外国人、アイヌ、沖縄など
第7回障害者の人権
優性思想、医療モデル、社会モデル、自立生活運動、ノーマライゼーション、ソーシャル・インクルージョンなど
第8回老者の人権
高齢者虐待、介護保険、世界高齢者問題行動計画、成年後見制度など
第9回病者の人権 ①
患者の権利、インフォームド・コンセント、自己決定権など
第10回病者の人権 ②
エイズ、ハンセン病、四大公害病など
第11回死者の人権
生前契約、葬送、埋葬法、差別戒名など
第12回情報と人権
個人情報、有害情報、知る権利、情報公開制度、報道被害、リベンジポルノなど
第13回労働と人権
フェアトレード、ディーセント・ワーク、パワー・ハラスメント、過労、不払い残業、非正規労働、ホームレス、経済難民など
第14回平和と人権
国連憲章、戦争、テロ、構造的暴力、人道的介入、積極的平和、平和教育など
第15回振り返り
人権侵害をなくすためには
授業のテーマ及び到達目標 [授業のテーマ]
本講義のテーマは、様々な「人権侵害」の実態を把握し、向き合うことです。「人としてあたりまえの生活を送る権利(人権)」を守るためには、皆が人権問題を「自分事」として向き合うことからしか始まらない。その過程において、人権感覚が磨かれ、人権意識が高まっていきます。「人権侵害」の加害者・被害者になりうる自分という存在を、どこまでも自省し改め続ける姿勢こそが、そのまま「反差別・人権拡張」の社会をつくり出していくことになろう。目の前にある人権問題(「人権侵害」)を先入観にとらわれることなく、あるがままに見る目(仏教で言う「如実知見(にょじつちけん)」)を共に養っていきましょう。

[到達目標]
授業を通じて、受講生各自が人権侵害をはじめとした諸問題に対して、次の3つの力が育まれることを目標とする。
 ① 物事を多角的・多面的に見られる            (→ 「俯瞰力」の獲得)
 ② 物事を他人事ではなく、自分事としてとらえられる  (→ 「慈悲力」の獲得)
 ③ 問題解決できなくとも、向き合い続けられる      (→ 「忍耐力」の獲得)
成績評価方法及び留意事項 [評価方法]
平常点(50%)と期末レポート(50%)

[評価基準]
平常点は、講義中に実施する小レポート(コミュニケーションカードの提出)と、受講時の態度でもって評価する。
期末レポートは、設定された質問に的確に述べているか、講義を踏まえて自分なりの意見を述べているか、を基準に評価する(コピペ・文献丸写しは厳禁)。

[留意事項]
私語厳禁
レポート提出期限厳守
参考文献 授業中に適宜紹介する
テキスト レジュメを配布する
準備学習の内容 「人権」に関する新聞記事やTVドキュメンタリーに関心を持つこと