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講義名 社会政策論Ⅰ
開講責任部署 花園大学
講義開講時期 前期 講義区分 講義
基準単位数 2 時間 0.00
代表曜日 火曜日 代表時限 3時限
科目ナンバリング

担当教員
職種氏名所属
選択なし◎ 安田 三江子(社)専任教員

授業の概要 社会政策は、あらゆるひとが、健やかに働き、くらしていくために、大切な政策や取り組みについて考察する学問である。本講義では、人びとの生活上のリスクを社会的に軽減・防止し、よりよいくらしや労働を実現することについて学ぶ。社会政策論の領域は、労働にかかわる領域、社会保障にかかわる領域の大きく2つに分けることができる。本講義では労働にかかわる領域に焦点を当てる。よりよいくらしや労働が実現できる条件は何であるかを考察し、それを支える社会政策のあり方について学ぶ。後期は、とりわけ、現代日本が直面する労働問題を分野別にとらえ、具体的に検討する。そのため、基本的な知識の習得を前期は目的としたい。
授業計画表
資本主義における労働のもつ意味を考え、よりよいくらしと労働が実現するための政策、つまり社会政策について考察する。
内容予習復習
第1回社会政策と社会福祉政策
「成人」福祉に該当することが社会政策である。
社会政策をインターネッキなどで検索してみること配布資料の復習
第2回社会政策の必要性と社会政策のふたつの領域
市場の失敗と社会政策。社会保障と雇用保障。本講義では、雇用保障に焦点をあてていく。
資本主義経済について考える配布資料の復習
第3回社会政策の学問的系譜。大河内(一男)理論の現代的意義
資本主義。の誕生と社会政策の誕生。労働者の保護・育成と資本主義経済の発展。
資本主義経済について考える配布資料の復習
第4回社会政策本質論争の現代的意義
労働組合、労使関係の役割について学ぶ。企業(組織)、労働者、労働組合、行政、それぞれがあって、資本主義は成り立つことを実感する。
資本主義経済と労働組合、労使関係について考える配布資料の復習
第5回小池(和男)理論の意義について
人間形成における労働の役割について学ぶ。
魅力的に働くひとを見つけ、なぜ、そのひとに尾力を感じるのかを考える。配布資料の復習
第6回労働とは何かについて考える
だれかがだれかの役にたち、社会は形成されている。ここを金銭的なやりとりが支えている。この連鎖の基軸が労働である。
自分が感動した労働について考える。配布資料の復習
第7回ミクロ組織論から学ぶ(その1)
内発的動機づけと外発的動機づけ
どのようにしたらひとは働くのか、働くことと幸福が一致するのはどのような場合かを考える。配布資料の復習
第8回ミクロ組織論から学ぶ(その2)
怠け防止と仕事の「再定義」。テイラーイズムの意義と限界。マクレガーの意義と限界。
怠惰な働き方が実現しているときについて考える。配布資料の復習
第9回経済学の巨人から学ぶ
サイモン、ウィリアムソンなど経済学の巨人から「雇用」の意義について学ぶ
長期勤続をしているひとをみつけ、職業人生について、話しを伺う。配布資料の復習
第10回ミクロ組織論から学ぶ(その3)
マーチなどのゴミ箱モデルから雇用の意義について考える
あるひとつのできごとに注目し、その流れについて考察する。配布資料の復習
第11回ミクロ組織論から学ぶ(その4)
藤本隆宏の「生産システム進化論」と高橋伸夫の「日本型年功制」の意味することと雇用のあり方について学ぶ。
「理想の正社員スタイル」について考えてみる配布資料の復習
第12回ミクロ組織論と経済学者から学んだことをふまえ、雇用制度のあり方について考える。
安定した雇用制度の重要性について理解する。
「理想の正社員スタイル」について考えてみる配布資料の復習
第13回日本国憲法と労働基準法
日本の雇用制度を支える社会政策の根本を学ぶ
憲法を読み返す配布資料の復習
第14回社会政策としての労働基準法及び労働法に追儺学ぶ
労働基準法を中心に労働法の概要を学ぶ。
労働基準法を読む配布資料の復習
第15回まとめ
資本主義社会における労働の役割を理解し、雇用を支える社会政策について総括する。
働くことにおける安全・安心の意味についてを認識し、それを支える社会政策のあり方を考える。配布資料の復習とレポーの作成
授業のテーマ及び到達目標 社会政策の重要性について学ぶ。社会政策は、国家が市場経済に介入して人々の生活上のリスクを社会的に軽減・防止するための政策である。社会政策論の領域は、大きく分けて、社会保障分野と労働問題研究分野に分けることができる。本講義で、社会福祉学部の講義の一環であることをふまえ、とくに後者に焦点を当て、資本主義よおける漏斗をの意味を理解し、人間にとって働くことの意味を考え、よりよい働き方の実現を理解し、それを支える社会政策について検討していきたい。。
到達目標
社会政策は社会福祉政策とあいまって、人びとの人権擁護とよりよいくらしを実現するたその政策であることを理解する。働くことはあらゆるひとに身近である。働く場において、自らもよい社会政策の利用者(働く権利の獲得)であることができるようになる。
成績評価方法及び留意事項 日常点(講義に参加し、コミュニケーションカードを提出すること)と、達成課題(レボート等)の評価の合計
雑談など、迷惑行為に関しては、減点対象とする。
大幅な遅刻は出席と認めない。
参考文献 小池和男(2005)『仕事の経済学』東洋経済新報告社、3456円
武川正吾(2011)『福祉社会:包摂の社会政策(新版)』有斐閣、2484円
テキスト 適宜、指示をする
準備学習の内容 働くことについて、大上段に立たず、自らが働くということを前提に考えること。